どんな生き方をしていても、楽しいこともあれば傷つくこともあります。してほしいこともあれば、してほしくないこともあります。喜ぶことと同様に悲しみもあるでしょう。そして、それは愛し愛されることと同じでもあります。
でも、依存症に追いつめられている依存の当事者は別です。このホームページをご覧になられている方には、依存者に対して愛を持って支えて来られた方も少なくないかも知れません。よかれと思って支えて来られたはずです。でも、あなたの心は打ち砕かれ、特殊のこととして、そこには依存症の症状が残った、そうではないでしょうか。
愛し愛されること、それは普通のことと言えます。しかし、依存症者に一生懸命関わっても、こちらが空しくなっていく、無力感とともに心がしぼんでいく。それは普通の状態ではないのでしょうか?
ではそれは何なのか?それこそが依存症という病気なのです。
専門家ではない、ご家族や周囲の人たちが、愛をもって接してもダメだった…。そうです、残念ながら「愛」では依存症を治すことはできません。だからこそ、ご家族や周囲の方が「愛」で疲弊していくのはもったいない、私たちはそう考えています。
では何なら依存症は治せるのでしょうか?安心してください。依存症は治すことが可能です。
どんな依存症であろうと、人は変われます。ただし、人が変わる時には専門家の助けが必要なのです。
そう、「愛」ではありません。
今、依存症で困っているとしても、皆さんのその大切な方にもかわいらしい子ども時代があったことと思います。高熱にうなされた日のことを思い出すことはできますか?そして、そんなことは1回や2回はあったのではないでしょうか?
そのとき、愛のある看病や介抱で、なんとか治すことができた場合もあったことでしょう。しかし、それがウィルス感染による高熱であった場合はいかがですか?
言う間でもありませんが、愛では治りません。
治らないどころか、とても危険な状態になってしまうでしょう。そんな時には適切な治療が必要になります。
依存症も同じなのです。
しかし、現代の医療をもってしても未だ薬では依存症は治せません。諸外国と比較して30年ほど遅れているとも言われる日本の精神科医療では、この常識がまだあまり知られておらず、クリニックなどで大量の精神薬が処方され、逆に依存症を強化するような診察が行われています。
日本の治療基準ではなく、国際的基準を満たした依存症回復の専門家の存在を知り、その力に頼ってもらいたいと思います。
もうひとつ大切なことがあります。
それはご家族である、あなたにも癒される資格があることです。ご家族は今まで、どうしていいか分からずに傷ついてきたことでしょう。
あなたには癒される権利があり、癒されるべきです。ご家族であるあなたにも、あなた自身の癒しと回復のプロセスを歩む必要があるのです。
想像してみて下さい。今の問題がない幸せだったあの頃を…。
考えてみて下さい。このまま、あなたの愛の力を信じて状態が悪くなるのを待つのか…。それとも、あなた自身が助けを求めるのか。
あなたはあなたの大切な家族のために、また、あなた自身のために何を選びますか?
世界には無力なこと、答えられないことは無数に、そして当たり前にあります。私たち人間は小さな存在です。知らないこともあればできないこともあります。
だからこそ人生においては、変化し続けることが大事な時があります。今が同じことをくり返しているだけなら、なおさらです。
今までのやり方では、ご存知の通り、一瞬はうまくいくと感じるでしょう。でもダメなのです。そのくり返しで、やがては無力感でいっぱいになります。皆さんも痛いほどわかるのではないでしょうか?
よく言われます。傷つくことは人生の中で普通のことなのかもしれないと。そうです、愛情の中で寂しさを感じたり、傷ついたりすることは、実は普通のことなのかもしれません。
でも、その愛情の中に依存症が入ってきたときは、別の話です。あなたが罪悪感を抱く必要はありません。依存症はWHO(世界保健機関)でも正式に認められた疾病の一つです。
だからこそ、家族の回復の第一歩は、病気を理解することです。依存症には変えられることと、変えられないことがあります。
あなたのせいではありません。しかし、回復には責任が伴います。あなたが決断するターニングポイントは、「今ここ」であると言えるのではないでしょうか。
思い出して下さい、人は変われるのです。THE ONENESS PLACEでのプロセスを通して、再び愛の力でやり取りができる、普遍的な人間関係に戻していくことができます。
思い出して下さい、人は変われるのです。しかしそれには、助けが必要な時があるのです。