THE ONENESS PLACE

無意識へとつながる旅

2017年1月24日 コメントする

あなたが無意識を意識しない限り、それはあなたの人生を支配するだろう

-カール・グスタフ・ユング

  今回、ユングの「無意識」についてお伝えするにあたり、

先日、映画館と博物館に行ってきました。

一つは「ラスコー展」。

もう一つは「ニーゼと光のアトリエ」という映画。

どちらも「無意識」とは関係なく、興味深い内容でしたので、

お時間のある方は、ぜひ行ってみてください。

ということで、(少々長いですが)今日の内容を書きます。

ぜひ最後までお付き合いください。

ラスコーの洞窟の壁画

すでにご存じの方も多いと思いますが、

ラスコーの洞窟はフランス南西部にあり、

そこには我々と同じ「ホモ・サピエンス」であるクロマニョン人が遺した様々な壁画があります。

この時代の洞窟の絵は、現代の技術にも引けを取らない手法を駆使して、

身近な動物を描写するとともに、

絵を描いた人物のものと思われる「手形」の跡、様々な幾何学模様が描かれています。

ネアンデルタール人と違って、クロマニョン人は、

絵や彫刻など、精緻な描写など、「芸術の心」を持っていたと言います。

暗い洞窟の中で、火を灯しながら、時には酸欠でトランス状態になりながら、

自らの存在を示すため、それらの絵を描いたのかもしれません。

今回のラスコー展では展示されていませんでしたが、

洞窟の壁画に描かれている「幾何学模様」は、

人類学者の中沢新一さんによれば、

脳の内部から出現してくる光のパターンと似ていると言います。

このパターンは、完全な暗闇の中に身を置いたときや、自閉症の人や幼少期の絵、

眼球を強く押した時にも表れます。

また、アマゾン川流域のトゥカノ・インディアンが、

幻覚を引き起こす特殊な飲み物を飲んだ時にも体験されるそうです。

洞窟内で絵を描いた我々の祖先も、 暗闇に身を置き、

心を落ち着けた際に見えてくる光の幾何学模様を、

そのまま描写したのではないでしょうか。

ラスコーの壁画やその他の壁画は、

かつての人々のむき出しの無意識がそのまま表れたものだと言えるかもしれません。

 

「ニーゼと光のアトリエ」

次は、この映画について。

この映画は、ブラジルで実際に活躍した女性精神科医の奮闘を映画化したものです。

一昨年の東京国際映画祭グランプリ&最優秀主演女優賞を受賞しました。

統合失調症やてんかんの治療として、脳の切開術や電気ショックが主流だった1944年ころ、

主人公のニーゼ・ダ・シルヴェイラは、

クライエントを人間らしく扱うべく、 クライエントの思うがままに、絵を描かせることを始めました。

最初は絵の具の色を置いていくだけだったクライエントの絵は、

次第に曼荼羅の幾何学模様のような絵へと変化し、

その後、まとまりのある統合された絵に変わっていきます。

それと共に、クライエントたちの気性は落ち着きを取り戻し、

中には退院できるまでになるクライエントも。

主人公のニーゼは、

統合失調症の絵について研究しているユングにアドバイスを求めながら、

絵画で表現することによる治癒力を確信していきます。

ユングは、日本と同様ブラジルでも人気がありますが、

もしかしたら彼女の尽力も大きいのかもしれません。

※彼女は「動物介在療法(AAT)」を用いたことでも有名です。

 

ユングの考えた心の構造

さて、ここからが本題です。 ユングは、心の中を下の図のように考えました。

※著作権のことを考えて手作りで描いてみたのですが、なんか卑猥な感じになってしまいました。

 

フロイトと同様、我々が普段使っている「意識」は心の中の一部でしかなく、

その下には大きな範囲を占める「無意識」が広がっている、というのは一緒ですが、

ユングは、さらに深いところには、

自分の家族内で共通する無意識、同じ文化で共有している「無意識」、

そして、人類が共通して持っている「無意識(集合的無意識)」があると考えます。

※正しいかどうかではなく、ユングの考えた心のモデルです。

 

この「集合的無意識」の着想は、世界各地の神話にあります。

世界中には、文字が作られる前から伝わる神話がありますが、

驚くほどストーリーに共通する部分があり、

その事実から、

人間には生まれながらに持つ共通の無意識が存在するのではないか、と考えたのです。

※神話については、我々人類に大きく影響を与えているのですが、それは次回書きたいと思います。

 

さて、ユングの統合失調症のクライエントが見た夢に、

アフリカの神話とかなり似た、象徴的な内容の夢を見た人がいました。

また、クライエントの多くは、東洋の曼荼羅と似たような模様を描くことも観察しています。

 

ユングも上記のニーゼと同様、クライエントの症状が軽くなってくると、

段々とクライエントの絵がまとまりを取り戻し、

普通の人と変わらない絵へと変わっていくさまを体験していくのです。

また、名を遺す偉大な科学者の中にも、

夢に出てきた(神話にも出てくる)象徴的な映像から、

世紀の大発見をした人もいます(ベンゼン環を発見したケクレなど)。

 

ユングは、一見突飛なクライエントの絵から、

人類に共通するストーリーと、いくつかのキャラクターが人間の心の奥底に存在し、

表に出ないままでいる部分があると考えました。

統合失調症の患者は、無意識が「むき出し」の状態でいると考えたのです。

 

そして、その「表に出ていない=生きられていない人生」を生きることが、

人間の治癒につながると考えました。

動物の絵や幾何学模様を心の赴くままに書くこと自体が、

自分の無意識に触れ、治癒力を高める行為となります。

※実際、東日本大震災で被災した子供たちの心のケアに、

絵画療法が用いられています。>>コチラ

 

洞窟の壁に絵を描いていたかつての人類や、

統合失調症で精神の危機に瀕している人も、

無意識がむき出しの状態で絵を描き、「自己実現」を体験していたのだと思います。

芸術活動としての「身体表現」

人類が絵を覚え、芸術として表現するよりもはるか前、

現生の人類が生まれると同時に現れたと考えられるのが、

「踊り」をはじめとした身体表現の芸術です。

 

身体の動きで心の中を表現することで、

意思を伝えたり、 祈りを捧げたりしていたはずです。

絵画以前から存在し、

より直接的に、我々の原始の無意識にアクセスできる方法。

それが、踊りなどの身体表現だと言えるのです。

 

身体表現で「生きられていない自分」を表現しながら、

自らの心身の癒しを体験する。

そんな機会を味わってみませんか?

 

さて、ここからがご案内です。

・自己表現が苦手

・心の底からの最高の癒しを体験したい

・心の傷に直接的に触れて癒したい

・自分の無意識から、想像的なアイディアを教えてもらいたい

そんな方々にご参加いただきたいワークショップがあります。

場所は奇しくも、原始の人類が住んだ洞窟のほど近くの聖地。

セリーン・ベガ博士の鍾乳洞ワークショップ。>>詳しくはコチラ

 

彼女の、体の動きを使った「トランスワーク」は、

本来の自分をいつでも取り戻す手段を教えてくれます。

 

無意識に触れることで、心の底からの癒し、

創造的なアイディアの源泉に 常に触れる方法を学べるはずです。

スピリチュアルな体験に興味のある方だけでなく、

芸術などの自己表現が苦手な方、 スピリチュアル体験に懐疑的な方にこそ、

ぜひ受けていただきたいです。

 

日時は4月21日~23日。

お忙しい方も休みを取って、未知の自分を体験してください!

 

お問い合わせ・お申込み

JAAI 日本アディクションインタベンショニスト協会

TEL: 0120-200-069

または>>コチラ

 

それでは、今日もここまでお読みいただき、ありがとうございました!

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